糸 No12

No12

 

一言で「糸」と言っても、いろんな種類があります。

毛糸、縫い糸、織り糸、時には紐に近い糸も。

 

 

学生の時、手芸専門店でバイトをしていました。

お客様の「糸をください」の一言は、とても難しいのです。

ほしい糸にたどり着くまでに、いくつものハードルがあります。

 

 

例えば何かを縫いたい場合、質問は3つ。

 

1:「ミシンで縫いますか?手で縫いますか?」

2:「何を縫いますか?」

3:「色はどんな色にしますか?」

 

 

質問に対して、順に説明をしながらお答えします。

 

1:糸にはミシン用と手縫い用があります。

2:布の種類によって素材の違う糸があります。主に絹糸と化繊糸。

布の暑さによって太さの違う糸があります。番手と言います。

3:白・黒以外の色糸は多数。店舗の在庫によります。

 

…うー、…

めんどくさーー!!!

心の声が聞こえそうな時もありました。

 

 

糸の仕事をするためには、とにかく 整理整頓。

糸に関わる仕事には、根気が必要。

 

その言葉は、和裁所にいた頃にも言われたことがあります。

絡まった糸を解く時、焦ると余計に絡まります。

引っ張ると結び目がきつくなって余計に解けません。

面倒くさい!と思った時はいったん休んで深呼吸。

少し力を緩めて、ゆっくりと。

心を静めると、不思議と 糸は素直になってくれます。

 

 

もしかしたら糸は、心を移す鏡なのかもしれません。

 

 

 

 


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