No4 謡(うたい)

No4

毎週、日曜日の朝6時~NHKラジオを聞いている。

FM能楽堂。今日は観世流の山姥。

高校の頃、謡を習っていた。

 

きっかけは、「夢幻花伝」という漫画を読んで興味を持ったから。

能楽ってどんなもの?

母に聞いたら、近所のおばあさんのところへ行け、と言われた。

そこで同じように聞いたら、やってみるか?と聞かれた。

本当に軽い気持ちで、やる!と答えていた。

 

それから、毎週通った。

”小謡”の和本と、”扇子”を持って来るように言われて、家にあるものを持って行った。

小謡は、謡を抜粋して、ワンフレーズずつ集めたようなもの。

扇子は、姿勢を正して右手に持つ。能楽の舞台上では小道具として使う。

謡とは、能楽の舞台を見ていると聞こえてくるお経のような歌の事。

能楽は昔のお芝居で、曲の言葉の中で情景や場面の説明をしている。

 

初日の説明で、おもしろそう!と強く思ったのを覚えている。

最初に習った曲は小謡の羅生門だった。

習い事は何をやっても続かなかったけど、謡だけは高校卒業するまで続けた。

 

能楽の奥深さは、ずっと後になってから。

謡の先生は、その後の私の人生を支えてくれる存在になった。

 

謡も、着物も、日本の文化。

伝統を語るほど修業を積んでいる訳でもない。

私の場合、ちょこっと習った程度。

それでも、こうして能楽のラジオを楽しんで聴ける。

やっていてよかった。


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