No295 着物 ~時代を超えて~
- 2019年10月04日
- こまブログ
子供の頃、近所のおばあちゃんは着物を着ていた。
小学校から帰る時、家の軒先に座ってたりした。
お話し好きのおばあちゃんがいて、よく話した。
白くない割烹着を着ていた。
着物によく似た普段着は、もんぺだったかもしれない。
記憶の中にあるおばあちゃんは、洋服を着てなかった。
都会に出てから、着物を縫っていた。
でも、縫っていた着物を着ている人を見たことがない。
高価な着物は、特別な日に着るハレの衣装。
百貨店の着物は高級品。普段着にも格があった。
当時、価格の差は格の差になっていた。
令和の時代、普段着に着物を着る人は皆無。
特別な日、ハレの日、衣装として選ぶ人は激減した。
着物を着なければならない場所も、全く無い。
格の違いは伝統に書かれている。
伝統を忠実に再現しようとすれば、芸術の域。
生活の中に着物はもう息づいていない。
11月は七五三の季節。
3歳と7歳の女の子と、5歳の男の子の、ハレの日。
同じ着物を成長と供に仕立て直していた。
仕立て直しが出来るように、大きめに作られていた。
仕立てを見ると、成長の願いが込められていた事がわかる。
消えそうで消えない伝統は、確かにあると思う。