No68 職人の言葉
- 2018年10月20日
- こまブログ
『やりかたがちがうんにゃ』
何かを聞くと、いつもそう言われる。
標準語だと「工程が違う」「方法がある」などなど。
たぶん、それらに関係する全ての意味を含んでいる。
玄関前の駐車場スペースに、コンクリートを打ってもらいました。
コンクリートが入る日に見に行きました。
状態は、ぷにぷに。ぷるぷる。でした。
それが、二日程度でとても頑丈なコンクリートになるなんて。
表面もすべすべ。するするとした面に。
左官屋さんの仕事は面白い。
とても地味な仕事。家が建てば、見えなくなる基礎部分。
キッチリカッチリ水平にコンクリートを敷き詰める。
木造の家の下には必ず左官屋さんの仕事がある。
今回は目に見えて残る場所。やり方が違うそうだ。
上に家が建つのか、車が乗るのか。
見える部分には、表面がすべすべになる化粧仕上げになる。
話を聞けば聞くほど、奥が深い話になっていく。
ぷにぷにのコンクリートは、全部同じに見える。
だけど、乾いて見ると色が違って仕上がっていた。
「やり方が違うから」
それは、季節によっても変えていると言う。
夏場の暑い時期と、冬の寒い時期。
同じ配合で打ってしまうとうまくいかず、固まらないそうだ。
どんな環境でも同じように仕上げる。
だけど、環境によってやり方は変えている。
いつも「同じように」仕上がっているのが当たり前なんだけど。
当たり前が通るようになるには、時間と経験が必要なのだ。
『やりかたがちがうんにゃ』その一言が。
とても簡単にきこえる言葉の裏に、経験と勘が詰まっている。