No217 裾丈直しのこと

「買った時は合ってたんですが…」

季節が過ぎて、久しぶりに履いてみると合ってない。

ジーンズやスラックスの丈直しよく聞きます。

 

裾丈は、ウェストの位置によっていくらかの誤差が出ます。

お店によって、標準の決め方が違う時もあります。

他にも原因はありますが、ほとんど数センチの調整。

その数センチを直すだけで履きやすくなるのです。

 

丈を短くするのであれば、問題は少ないのですが。

長くする場合、問題が2個あります。

①元の裾線が布に強く残って目立つ

②縫込みが足りなくなる

①は布の状態によって、②はお仕立ての状態によって変わります。

ある程度目立たせないようにしたり、

足りない縫込みは別布で足したり、

その他、お品物の状態に合わせて対処の方法をご案内いたします。

 

通常ですと、両方の足は同じ寸法に仕立てますが…。

片方の足だけ長く(又は短く)することも可能です。

ズボンを着た時、片方だけ長く(又は短く)なる場合、

片方だけ寸法を変えると両方が同じ丈に見えるようになります。

 

洋服の直しをしていると、

規格通りの丈に合う人の方が少ないように感じます。

人の体形は個人によって違います。

着る人に合うように、洋服をほんの少し直す。

洋服のお直しとは、そういう仕事なのです。


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